EcoVadis(エコバディス)は、取引先の環境や人権への取り組みを採点する会社です。タイヤのミシュランや通信のKDDIは、主な仕入れ先にこの評価を受けるよう求めています。担当者の作業と、点が足りないときの扱いを、EcoVadisと買い手の公開資料でたどります。
EcoVadisは、環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の4分野で採点します。持続可能な調達とは、自社の仕入れ先の環境や人権をどう管理しているかです。
自動車の業界では、2025年に約1万2,500社の仕入れ先が評価を受けました。仕入れ先は、1回の評価の結果を複数の買い手に見せられます。
| 買い手 | 仕入れ先に求めていること |
|---|---|
| ミシュラン(タイヤ) | 2012年からEcoVadisで主な仕入れ先を評価。契約や延長から12か月以内に受け、45点以上を保つ |
| KDDI(通信) | 取引額の上位9割にあたる150〜200社に依頼し、原則必須とする(2025年の講演) |
KDDIは2023年度に使い始め、6人で担当しています。
点がつくのは、書類で裏付けた答えだけです。書類がなければ、仕組みがないとみなされ、点が下がります。足りないデータを、業界の平均などで埋めることもしません。
数字の報告は、評価の対象の範囲の8割以上を覆う必要があります。CO2などの排出量とエネルギーの使用量は、95%以上が必要です。そのため担当者は、各地の工場や部署から、規程や記録や数字を集めることになります。
費用について、公式の料金のページにはプランの中身が載っています。上のプランほど、結果を見せられる相手やサポートが増えます。メダルを表示できるのは、Premium以上のプランです。金額は、従業員の数の区分と国を選んで確かめる作りです。
EcoVadisは、自社の審査の担当者が1社の回答と書類を確かめるのに、15時間以上かけるとしています。これは審査する側の時間で、回答する会社の作業の時間ではありません。
45点ミシュランが仕入れ先に求める最低の点。届かなければ、評価から2か月以内に改善の計画を出す
メダルは、過去12か月に評価を受けた全社の中の順位で決まります。4分野のどれかが30点未満なら、メダルはつきません。
| メダル | 順位 |
|---|---|
| プラチナ | 上位1% |
| ゴールド | 上位5% |
| シルバー | 上位15% |
| ブロンズ | 上位35% |
日本の会社の平均は、2024年に50.9点でした。いちばん低い分野は持続可能な調達で、41.3点です。従業員1,000人以上の会社でも、この分野は55%が45点未満でした。
この平均には、2回以上受けた会社が多く含まれます。EcoVadisは、受けた回数が多い会社ほど点が上がる傾向があるとしています。初めて受けた会社だけの平均は、公開されていません。
結果の有効期間は1年です。受け直すのは、会社が決めたときか、買い手が求めたときです。日本で2024年に評価を受けた会社の79%は、2回以上受けていました。
EUでは2026年7月2日から、ESG評価(会社の環境や社会への取り組みの採点)をする会社を監督する規則が始まりました。EcoVadisは2026年7月8日、EUの監督機関(ESMA)に、認可を申請する意向を伝えました。
2027年5月ごろ認可の審査が終わる見込み。利用する会社に必要な調整はないと説明している
KDDIは、取引額の上位9割にあたる150〜200社にEcoVadisを依頼しています。依頼を受けた側では、サステナビリティの部署か品質保証、購買が回答の準備を始めます。
外に頼まれるのは、回答と書類の準備と、点が届かない分野の洗い出しです。結果の有効期間は1年なので、翌年の受け直しに向けた支援も続きます。
ISO 9001(品質の管理の国際規格)の書類をそろえてきた品質保証の人は、書類で点がつく採点にすぐ慣れます。日本の会社の平均が41.3点と低い調達の分野では、仕入れ先を調べてきた購買の人が頼りにされます。
面接で話すなら、メダルが点数ではなく順位で決まる点を押さえておくと、仕組みを分かっていると伝わります。