2026年10月号

サステナビリティの仕事に関わる、今月の動きと数字。

面接で話すならこの3つ

国の委託

2026年10月集計

国の「開示・金融」の委託、EDINETの1件を除けば去年の1.3倍

7.0億2024年度
5.8億2025年度
11.4億2026年度(9月10日まで)
EDINETを除くと7.4億

環境省・金融庁など6機関の委託を数えました(経済産業省は含まない)。コンサルティング会社やシンクタンクなどが受けた、開示と金融の委託です。2026年度は、9月10日までで11.4億円でした。

このうち4.0億円は、金融庁の1件です。EDINET(有価証券報告書を公開するシステム)をSSBJ基準に対応させる開発で、野村総合研究所が受けました。この1件を除くと7.4億円で、2025年度の1年分(5.8億円)の約1.3倍です。

見立て

EDINETの1件は、金融庁が出したシステム開発の仕事です。残りの多くは、環境省がESG金融の調査や地域の銀行の脱炭素の支援として毎年度出す委託です。

深掘り記事を読む

2024年4月〜2026年8月

環境省の委託の件数、会社ではいであが最多

自然環境研究センター(財団)161
いであ125
日本エヌ・ユー・エス107
エックス都市研究所94
国立環境研究所88
三菱UFJリサーチ85
デロイト トーマツ80
みずほ75

環境省の委託を件数で数えました(環境省のみ)。会社に限ると、上位3社は環境調査を本業にする会社です。大手会計事務所系の4社(Big4)では、デロイトの80件が最多で、ほかの3社は20件以下でした。

見立て

環境省は、水質・化学物質・廃棄物の調査を、年度ごとに外部へ委託しています。いであが2026年度に受けた38件も、半分を超えるのが前の年から続く仕事です。

深掘り記事を読む

2026年度

環境省の1年は、4月でほぼ決まる

8554月
1145月
1326月
1337月
638月

2026年度の環境省の契約1,297件のうち、855件は4月に結ばれています。5月から後は、年度の途中で出る小さな追加の仕事が中心です。

見立て

4月の仕事の入札は、1月から3月に公告されます。受ける会社は、この3か月で環境省に出す提案書を書きます。

深掘り記事を読む

企業の動き

2026年3月期の有価証券報告書

キリンとみずほは、もうSSBJ基準で報告書を出した

準拠して作成キリンHD、みずほFG
すべてを検討三菱UFJ(準拠は来年から)
準備中三菱商事、ENEOS、日本郵政ほか

SSBJ基準が義務になるのは2027年3月期からです。キリンHDとみずほFGは、義務化を待たずにこの基準で有価証券報告書をつくりました。三菱UFJは、基準のすべての定めを検討したうえで、準拠は来年からとしています。

見立て

義務になる前の1〜2年に、経理部とサステナビリティ部が体制づくりを外部に頼みます。1回目を終えた会社の手順が、その手本になります。

深掘り記事を読む

7月23日

EYの保証の社内認定者が、1年で700人以上増えた

3,679人前の年より700人以上多い

EY新日本は、サステナビリティの開示と保証の社内認定を受けた人が3,679人になったと発表しました。

見立て

保証を頼むのは、時価総額3兆円以上の会社の経理部です。最初の保証は2028年3月期で、監査法人はその前に人を増やしています。

深掘り記事を読む

7月23日

アスエネが135億円を集め、英国の会社を買った

135億円同じ日に、英国の会社を最大60億円で買収

排出量の見える化サービスを手がけるアスエネは、BlackRock系の脱炭素ファンドなどから135億円を集めました。買ったのは、英国でCO2の見える化サービス「Secaro」を運営する会社です。

見立て

ソフトの会社は、開示書類の印刷会社と組み、上場企業の開示の担当に売り込んでいます。

深掘り記事を読む

国の制度

2026年7月 改正金融商品取引法

1年後、監査法人の外にも保証の仕事が生まれる

2027.4保証をする会社の登録制が始まる

2027年4月から、サステナビリティ情報の保証をする会社は、国への登録が必要になります。監査法人でなくても登録できます。2028年3月期からは、時価総額3兆円以上の会社の開示に、この保証がつきます。

見立て

2027年4月からは、認証機関なども登録すれば保証の仕事を受けられます。監査の経験者には、監査法人の外にも行き先が増えます。

深掘り記事を読む

8月

排出量取引で「確かめる」仕事が始まった

2027.92026年度の排出量を国に報告する期限

国の排出量取引制度(GX-ETS)では、会社が報告する排出量を、国に登録した確認機関が確かめます。あずさ監査法人が確認機関に登録され、EY新日本も8月に確認の業務を始めました。

見立て

確認の依頼は、2027年9月30日の届け出の前に集中します。排出量を数えるのは対象の会社で、確かめるのは登録した確認機関です。

深掘り記事を読む

評価機関の動き

11月30日の週

CDPの今年の点数は、11月30日の週に届く

11.30の週に回答企業へ通知し、同じ週に公表

企業の環境への取り組みを採点するCDPは、今年の点数を11月30日の週に知らせます。CDPは6月に、営利の会社と非営利の財団に分かれると発表しました。7月には、統合報告書などから回答の下書きをつくるAIの機能も入れています。

見立て

点数が届いたあと、サステナビリティ部は翌年5月までに取り組みを直します。点数の内訳を読み、どこを直すかを決める仕事がこの時期に出ます。

深掘り記事を読む

7月2日

EUでは、ESG格付けに当局の認可が必要になった

11.2すでに事業をしている格付け会社の申請期限

会社の環境・社会・企業統治への取り組みを格付けする会社があります。こうした会社は、7月2日から、EUで事業をするのに欧州の当局(ESMA)の認可が必要になりました。MSCIは申請の意思を届け出ています。

見立て

EUの審査は2027年5月ごろに終わる見込みです。評価の方法が細かく開示されると、IRとサステナビリティ部が読み解く仕事が増えます。

深掘り記事を読む

12月18日

GPIFが使う指数の銘柄が、12月に入れ替わる

3.3点以上で新しく入る。2.9点を下回ると外れる候補

GPIFは、年金の積立金を運用する国の法人です。GPIFが使う指数の1つのFTSE JPX Blossom Japanは、12月18日に銘柄を入れ替えます。点数はFTSEのESGの評価(0〜5点)です。6月の見直しのあとは478社が入っています。

見立て

入れ替えは6月と12月です。点数が線に近い会社では、見直しの前にIRとサステナビリティ部が評価への回答を直します。

深掘り記事を読む

海外の動き

10月22日

ISSBが、自然の開示の案を出した

2027.2.19意見募集の締め切り

国際的な開示基準をつくるISSBは、自然に関する開示の案を公表しました。TNFDの考え方を広く取り入れた内容です。

見立て

意見の募集は2027年2月19日までです。拠点のそばの川や森を調べる仕事は、生態系や水を調べてきた人に回ります。

深掘り記事を読む

11月10日

カリフォルニア州で、排出量の報告の最初の締め切り

11.10SB253の最初の報告期限

対象は、州内で事業をする年間売上10億ドル超の米国の会社です。1年目はScope1・2だけを報告し、Scope3は2027年からです。

見立て

日本企業の米国子会社も、売上によっては対象です。本社のサステナビリティ部が、子会社と一緒に米国の拠点の排出量を集めます。

深掘り記事を読む

9月

ISSB基準に向けて動く国・地域が、45を超えた

45超うち方針が固まったのは22。日本も入っている

IFRS財団が9月の会議で示した数字です。英国・中国・韓国などは、まだ方針を詰めている途中です。

見立て

英国・EU・韓国では、2027年に始まる年度から新しいルールです。各国に子会社を持つ会社の本社で、国ごとのルールを比べる仕事が増えます。

深掘り記事を読む

出典:各社の有価証券報告書、環境省・金融庁ほか各機関の契約の公表、金融庁 改正金融商品取引法の説明資料、IFRS財団、EY・あずさ監査法人・アスエネ・CDPの発表、ESMA、FTSE Russellの指数ルール、Cooley(SB253の解説)。確認日 2026年10月31日。