大きな荷主は、自社の荷物を運ぶのに使ったエネルギーを国に報告します。その元になる燃料の量を持っているのは、運送会社です。2026年4月からは、荷待ち時間などを報告する義務も始まりました。運送会社の担当者が集めるのは、燃料の量と、荷主ごとに運んだ量の2つです。
省エネ法は、エネルギーを効率よく使うことを求める法律です。この法律では、荷物を出す荷主と、運ぶ運送会社の両方に報告の義務があります。
| 対象 | 基準と出すもの |
|---|---|
| 特定荷主 | 自社の荷物の輸送量が年3,000万トンキロ以上。毎年度6月末までに定期報告書など |
| 特定輸送事業者(トラック) | 貨物の車が200台以上。毎年度6月末までに定期報告書と中長期計画書 |
トンキロは、運んだ重さ(トン)に距離(キロ)を掛けた量です。
運送会社の目標は、運ぶ量あたりのエネルギーを、年平均1%以上減らすことです。
数え方は、経済産業省と国土交通省の共同のガイドラインにあります。いちばん正確なのは「燃料法」です。使った燃料の量に、燃料ごとの係数を掛けてCO2を出します。
燃料の量は、車に積んだ機器、燃料の購入伝票、自社の給油所の記録から集めます。燃料の量が分からなければ、走った距離と燃費から推計します。
1台のトラックに複数の荷主の荷物を積むと、荷主だけでは自分の分を出せません。ガイドラインの表でも、燃料の量は荷主には把握できないとされています。そのため、運送会社が割り振ることになります。
2024年4月から、働き方改革の法律がトラック運転手にも適用されました。運べる量が足りなくなるおそれがあり、「2024年問題」と呼ばれています。これを受けて、物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)が改正されました。
| 指定される会社 | 基準(国の見込みの社数) |
|---|---|
| 特定荷主 | 扱う荷物の重さが年9万トン以上(約3,200社) |
| 特定貨物自動車運送事業者等 | 持っている車が150台以上(約720社) |
指定された会社は、中長期計画と定期報告を出します。荷主の定期報告には、荷待ち時間などの状況が入ります。時間の指定がなければ、荷待ち時間は運転手が着いてから積み降ろしが始まるまでです。国は、測るには運送会社の協力が欠かせないとしています。
特定荷主は、物流統括管理者(CLO、物流の責任者)を役員などから選びます。
2027年7月末最初の定期報告の締め切り。中長期計画は2026年10月末が最初の締め切り
ISO 14083は、輸送で出る温室効果ガスを数える国際規格です。ISOは、国際標準化機構という団体が決める規格の名前です。EUは2026年4月29日、輸送の排出量の数え方をそろえる規則を定めました。対象は、EUで始まるか終わる輸送です。契約や自主的な判断で排出量を計算し、公表する場合に使います。
計算は、ISO 14083を土台にします。実際に測った「一次データ」を優先し、手に入らないときは決められた標準の値も使えます。規則が効力を持ってから54か月後に、本格的に始まります。
1台のトラックに何社もの荷物が載ると、荷主は自分の分の燃料を出せません。運送会社が全体の燃料をトンキロの割合で割り振り、荷主ごとに渡します。
依頼の起点は、荷主の物流部門と、役員などから選ばれたCLOです。2027年7月末の最初の定期報告に向けて、荷待ち時間を測る仕組みづくりを頼む荷主が出てきます。
配車や運行管理で、どの車に誰の荷物を積むかを毎日組んできた人は、割り振りの計算の前提を知っています。荷主の側では、出荷や運賃のデータを扱ってきた物流部門の経験が役に立ちます。
面接に向けては、トンキロの意味と「2024年問題」を、表の数字を使って説明できるようにしておきましょう。