CO2を出していい量を国が会社ごとに決めて、足りない分は買い、余った分は売れる仕組みです。2026年度から義務として始まった、国の排出量取引制度です。
会社ごとに、その年に出していいCO2の量が「枠」として配られます。枠より多く出した会社は、ほかの会社から枠を買わないといけません。
減らすのが得意な会社は、余った枠を売ってお金にできます。CO2を減らすほど得をする仕組みです。
対象は、CO2を直接出す量が、直近3年度の平均で年10万トン以上の会社です。国内の排出の約6割をカバーします。最初の枠は無償で配られます。
| いつ | 何をする |
|---|---|
| 2027年9月末 | 2026年度の排出の実績を国に出す |
| 2027年11月ごろ | 国が枠を配り、取引の市場が開く |
| 2028年1月末 | 2026年度の排出と同じ量の枠を持っておく |
出した排出の実績は、国に登録した確認機関がチェックします。あずさ監査法人やEY新日本が、確認機関として仕事を始めています。
移行計画を毎年出す 対象の会社は、毎年度「移行計画」を作って国に出さなければなりません。移行計画は、CO2を減らす目標と、そのための投資などをまとめた計画です。
国は、出された移行計画を公表します。出さなかったり、うそを書いたりすると、20万円以下の過料(行政の罰として払うお金)の対象になります。
2026年度は、9月30日までに最初の移行計画を出す必要がありました。(移行計画)
枠の値段に上限と下限がある 値段が上がりすぎたり下がりすぎたりしないよう、国は毎年度、2つの価格を決めます。
| 価格 | どう働くか |
|---|---|
| 参考上限取引価格(上限) | 枠の値段が高すぎて買えないときは、足りない分にこの価格をかけたお金を払えば、枠を持っているとみなされます。 |
| 調整基準取引価格(下限) | 市場の平均の値段が一定の期間これを下回ると、GX推進機構(この法律にもとづく法人)が枠を買い入れられます。 |
期限までに枠を持たなかった会社は、足りない量に上限の価格の1.1倍をかけたお金を払います。
買うか、減らすか、上限の価格で払うかを比べて決める必要があります。この比べる作業も、外の専門家に頼まれる仕事です。
工場の排出を数える人、移行計画を書く人、枠の売り買いを決める人、排出を確かめる人が要ります。製造業の環境・エネルギー部門の経験が生きます。新卒なら、工学部で学ぶエネルギーや化学の知識が、排出の計算に役立ちます。