更新日 2026年11月2日

コラム|開示

売上上位300社の有価証券報告書で、SSBJに触れたのは28社

売上の大きい300社について、最新の有価証券報告書のサステナビリティの欄を集めました。決算期は、2026年3月期が245社です。どんな言葉が、何社の欄に書かれているかを数えました。

コラム28社SSBJに触れた会社(売上上位300社)

4分の3の会社が書いていること

多くの会社に共通して出てくる言葉は、次の4つでした。

言葉書いた会社割合
シナリオ分析229社76%
TCFD226社75%
Scope3217社72%
サステナビリティ委員会(似た名前を含む)206社69%

TCFDは、気候変動が会社のお金に与える影響を開示する枠組みです。シナリオ分析は、その中で求められる手法です。気候の開示の型は、すでに大きな会社の多くに行きわたっています。

サステナビリティ委員会には、「サステナビリティ推進委員会」「サステナビリティ会議」などの似た名前も含めています。名前がそのまま一致する会社だけなら、138社です。

欄の長さは、真ん中の会社で約11,000字でした。いちばん短い会社は1,434字です。

SSBJに触れたのは28社、「準拠して作成」は2社

SSBJ基準は、日本のサステナビリティ開示の基準です。東証プライムに上場し、平均時価総額が3兆円以上の会社は、2027年3月期から有価証券報告書で使う義務があります。

300社のうち、SSBJという言葉が欄にあったのは28社でした。国際的な基準のISSBに触れた会社は、11社です。

欄を「サステナビリティ開示基準に準拠して作成」したと書いたのは2社です。キリンホールディングスと、みずほフィナンシャルグループでした。キリンは2025年12月期、みずほは2026年3月期の報告書です。どちらも、義務より前に使い始めた例です。

28社のうち18社は、SSBJの前後80字以内に「準備」「向けて」「検討」などの言葉がありました。平均時価総額3兆円以上の会社では、義務の対象になる2027年3月期が、すでに始まっています。

保証と移行計画は、まだ2割前後

これから求めが強まる項目は、書いている会社がまだ少数でした。

言葉書いた会社割合
人権デューデリジェンス117社39%
役員報酬とサステナの指標の連動103社34%
TNFD(自然の開示の枠組み)73社24%
第三者保証65社22%
移行計画55社18%
社内の炭素価格43社14%

役員報酬の連動は、「報酬」と、サステナ・ESG・排出などの言葉が30字以内に並ぶ記載を数えました。第三者保証は、「第三者保証」「第三者による保証」「保証を受け」などの言い方を数えています。「検証」の言い方まで含めると、80社前後に増えます。

第三者保証は、開示した数字を外の専門家が確かめる仕組みです。平均時価総額3兆円以上の会社では、2028年3月期から義務になります。最初の2年は、Scope1・2の排出量と、ガバナンス・リスク管理に限った保証です。

移行計画は、排出を減らす目標と投資の計画です。GX-ETS(国の排出量取引制度)の対象の会社には、国に出す義務があります。

どちらも、有価証券報告書の欄に書いている会社はまだ2割前後です。報告書の外で取り組んでいる会社もあるため、この数字だけで準備の度合いは分かりません。

大きい会社ほど多い項目

売上の上位100社と、101〜300位の200社で割合を比べました。差が大きかったのは、次の3つです。

言葉上位100社101〜300位
役員報酬とサステナの指標の連動50%26%
第三者保証27%19%
移行計画25%15%

上位100社のうち13社は、欄が長く、取り出せた文章が途中で切れています。そのため、上位100社の割合は、実際より低く出ている可能性があります。

数え方

対象は、売上の大きい順に300社です。各社の最新の有価証券報告書から、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄を取り出しました。欄の中に言葉が書かれているかどうかで数えています。書いてあっても、取り組みの中身や度合いは分かりません。

取り出せた欄の文章は、1社30,000字で切れていました。16社は欄がそれより長く、後半を数えていません。全角と半角の違いや、Scope3とスコープ3などの表記の揺れは、同じものとして数えました。

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