更新日 2026年11月2日

コラム|保証

第三者保証を受けたと有報に書いたのは上位300社中39社 機関名を出したのは17社

売上上位300社の有価証券報告書で、排出量などの数字に第三者の保証や検証を受けたと書いた会社は39社でした。保証した機関の名前まで書いたのは17社で、そのうち9社は監査法人系ではなく認証機関などです。2027年4月に保証をする会社の登録制が始まると、有報に書く保証の中身が問われます。

コラム39社第三者保証を受けたと有報に書いた会社

受けたと書いた会社は1割強

39社は300社の13%です。売上の上位100社では16社、101〜300位の200社では23社で、大きい会社ほど割合が高くなっています。

「保証を受ける予定」「検討している」と書いた会社は、ここに入れていません。すでに受けた、取得したと書いた会社だけです。

機関の名前は17社が記載

保証や検証をした機関の名前を、有報の欄に書いた17社です。残りの22社は、保証や検証を受けたことは書いていますが、機関の名前は欄にありません。

会社保証・検証をした機関有報での呼び方
武田薬品工業KPMGあずさサステナビリティ保証
リクルートホールディングスSOCOTEC Certification Japan、SCS Global Services保証
中部電力KPMGあずさサステナビリティ保証
ファーストリテイリングBSIグループジャパン検証
オリックスKPMGあずさサステナビリティ保証
キリンホールディングスKPMGあずさサステナビリティ保証
住友化学KPMGあずさサステナビリティ保証
アステラス製薬EY新日本有限責任監査法人検証
大成建設KPMGあずさサステナビリティ保証
ヤマダホールディングスサステナビリティ会計事務所保証
電通グループKPMGあずさサステナビリティ保証
長谷工コーポレーション日本品質保証機構(JQA)検証
横浜ゴムSGSジャパン検証
東急LRQAリミテッド保証
ニッスイサステナビリティ会計事務所保証
SMCLRQAリミテッド、BSIグループジャパン検証
ケーズホールディングス日本品質保証機構(JQA)検証

並びは売上の大きい順です。

監査法人系はKPMGあずさが7社

監査法人系の8社のうち7社が、KPMGあずさサステナビリティでした。残る1社はアステラス製薬で、EY新日本有限責任監査法人です。名前を書いた17社に、デロイト トーマツとPwCの名前はありません。

一方で9社は、認証機関や保証の専門の会社を使っています。BSI、LRQA、日本品質保証機構、SGS、SOCOTEC、サステナビリティ会計事務所です。

認証機関では「検証」の呼び方が多い

KPMGあずさを使う7社は、7社とも「保証」と書いています。認証機関などを使う9社では、5社が「検証」と書き、4社が「保証」と書いています。

基準まで書いた会社を見ると、呼び方は基準と重なっています。武田薬品工業、ヤマダホールディングス、ニッスイは、国際保証業務基準のISAE3000とISAE3410による限定的保証です。ケーズホールディングスは、ISO14064-3(排出量の検証の国際規格)による検証で、水準は限定的保証と書いています。

39社のうち、「限定的保証」と書いたのは12社でした。対象にScope3(取引先など自社の外で出た排出量)まで含めて書いたのは13社です。

2027年4月から保証は登録制

改正金融商品取引法により、2027年4月1日から、有報のサステナビリティ情報を保証する会社は国への登録が必要になります。監査法人でなくても、要件を満たせば登録できます。義務の保証は、時価総額3兆円以上の会社の2028年3月期から始まり、当初2年間の対象はScope1・2、ガバナンス、リスク管理です。

制度が始まったあとも、義務の範囲の外で任意の保証を受けることはできます。金融審議会のワーキング・グループの報告は、任意の保証を有報に書くなら、保証をした会社の名前、登録の有無、準拠した基準、結論を示すよう求めるべきだとしています。いまは39社のうち22社が、機関の名前を書いていません。

数え方

対象は、売上の大きい順に300社の最新の有価証券報告書の「サステナビリティに関する考え方及び取組」の欄です。「第三者保証」「限定的保証」「第三者検証」「保証報告書」などの言葉と、「受けて」「取得して」「実施しました」などが同じ文にある会社を数えました。「予定」「検討」「向けて」を含む文は除いています。ヤマトホールディングスは、BSIの検証の対象が排出量の数字ではなくカーボンニュートラルの宣言なので、数に入れていません。取り出した文章は1社30,000字で切れており、16社は後半を数えていません。

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