保証は、会社が出した情報を外の専門家が確かめることです。2027年4月から、サステナビリティ情報の保証をする会社は、国への登録が必要になります。監査法人(決算書を監査する公認会計士の法人)でなくても、要件を満たせば登録できます。保証が始まるまでの日程と、監査法人や保証を受ける会社の今の動きを読み解きます。
| 時期 | 決まっていること |
|---|---|
| 2026年7月 | 改正金融商品取引法が成立 |
| 2027年3月末 | 保証に使う基準ができる見込み |
| 2027年4月 | 保証をする会社の登録制が始まる |
| 2028年3月期 | 時価総額(株価に株式の数をかけた会社の値段)3兆円以上の会社に、初めて保証がつく |
| 2029年3月期 | 1兆円以上の会社にも保証がつく |
保証は、SSBJ基準(日本のサステナビリティ開示の基準)の開示が義務になった翌年度から始まります。開示は、会社が自分の情報を投資家などに公表することです。
登録は会社(法人)ごとで、監査法人でなくても登録できます。要件は、保証の知識と経験を持つ責任者と、品質を管理する部門を置くことなどです。登録した会社は、金融庁の検査と監督を受けます。ISSA 5000(サステナビリティ情報の保証の国際基準)も、監査法人や公認会計士以外が使う前提で作られました。
保証の水準は「限定的保証」です。決算書の監査にあたる「合理的保証」より、手続きの範囲が限られます。ワーキング・グループ報告は、会社に過度な負担をかけずに制度を始めるためとしています。そのうえで、合理的保証への移行は「検討は行わないことが適当」と書いています。2026年10月の保証部会の意見書案も、この考えに沿って制度をつくるとしています。
3,679人EY新日本の社内認定者。前年度の2,951人から700人以上増えた
EY新日本が7月23日に発表した、2026年6月末までの数です。
あずさ監査法人は、マネジャー以上の全員に基礎講座の受講を義務づけ、2,010人が修了しました。研修に加えて実務経験を持つ人は574人です(どちらも子会社を含む2026年6月末の数)。
売上上位300社のうち81社が、有価証券報告書で第三者の保証や検証に触れています。機関の名前を書いている会社の例です。
| 保証をした機関 | 会社の例 |
|---|---|
| KPMGあずさサステナビリティ(あずさの子会社) | キリンHD、オリックス、武田薬品など11社 |
| EY新日本 | アステラス製薬 |
| LRQA、BSIなどの認証機関 | 名古屋鉄道、ファーストリテイリングなど |
| 日本品質保証機構 | ケーズHD、長谷工 |
| サステナビリティ会計事務所 | ヤマダHD、ニッスイ |
三井物産、丸紅、オムロンなど18社は、限定的保証と書いています。登録制が始まると、監査法人の外の認証機関なども、要件を満たせば有価証券報告書の保証を担えます。
時価総額3兆円以上の会社は、2027年3月期からSSBJ基準で書きます。ただし、保証がつくのはその翌年の2028年3月期からです。
この1年の間に、経理部とサステナビリティの部署は、確かめられる形で数字を集める準備を外に頼みます。最初に確かめられる範囲は、Scope1・2の排出量、ガバナンス、リスク管理です。
保証をする側には、2027年4月から監査法人の外の会社も登録できます。各社がその前から集めるのは、認証機関で排出量を検証してきた人です。監査法人で内部統制(誤りや不正を防ぐ社内の仕組み)を見てきた人も求められます。
学生のうちに、限定的保証と合理的保証の違いを一言で言えるようにしておくと、保証の仕事の面接で役に立ちます。