11月10日に、カリフォルニア州で排出量の報告の最初の締め切りが来ます。ISSB基準に向けて動く国・地域も、45を超えました。各国の開示が始まる時期と、日本企業の海外拠点にかかわるルールを読み解きます。
ISSB基準は、環境や人への取り組みを投資家向けにどう書くかを決めた世界共通のルールです。こうした情報を会社が投資家などに公表することを、開示と呼びます。IFRS財団(ISSB基準をつくる組織を置く財団)は9月に、この基準に向けて動く国・地域が45を超えたと示しました。
逆の動きもあります。米国では、証券取引委員会(SEC)が気候開示の規則を取り消す案を出しています。
| 国・地域 | 始まる時期 | 最初の対象 |
|---|---|---|
| 英国 | 2027年1月以後に始まる期間 | 上場会社(従うか、従わない理由を説明するかを選ぶ形) |
| EU | 2027年1月以後に始まる年度 | 従業員1,000人超、かつ売上4.5億ユーロ超のEUの会社 |
| 日本 | 2027年3月期 | 東証プライム上場で、時価総額(株価に株式の数をかけた会社の値段)3兆円以上の会社 |
| 韓国 | 2027年度 | KOSPI(韓国の主な株式市場)上場で、連結資産10兆ウォン以上の会社 |
英国・EU・韓国は2027年に始まる年度から、日本は2027年3月期から、新しいルールが始まります。
上の表の多くは、その国の上場会社が対象です。日本企業にかかわるのは、上場していない子会社や輸出まで対象にするルールです。
| 拠点 | ルールと対象の線引き | 始まり |
|---|---|---|
| 米国子会社 | SB253(カリフォルニア州の排出量の開示法):米国で設立、州内で事業、年間売上10億ドル超 | 2026年11月 |
| 欧州子会社 | CSRD(EUの報告の指令):従業員1,000人超、かつ売上4.5億ユーロ超 | 2027年度の分から |
| 日本の親会社 | CSRD:EUでの売上4.5億ユーロ超、かつEU子会社か支店の売上2億ユーロ超 | 2028年度の分から |
| EUへの輸出 | CBAM(輸入品の製造時のCO2に払う仕組み):鉄鋼・アルミ・セメント・肥料など | 2026年1月 |
CSRDは、2026年2月の見直しで対象が大きく絞られました。それでも、欧州で大きく稼ぐ日本企業は入ります。
11月10日、カリフォルニア州のSB253で最初の報告の締め切りが来ます。1年目は、Scope1・2(自社が直接出す排出と、使った電気の分)だけです。
対象になる米国子会社の数字は、日本の本社のサステナビリティの部署が、子会社と一緒に集めます。海外子会社の経理や管理で、現地から数字を集めてきた人に向く仕事です。
EUに鉄鋼やアルミを輸出する会社には、CBAMで製品ごとのCO2の数字を求める依頼が届きます。最初の申告は2027年9月30日です。工場の生産管理や、仕入れ先からデータを集める調達の経験がある人は、この数字づくりに加われます。
面接の準備として、上場会社だけが対象のルールと、子会社や輸出まで届くルールを分けて説明できるようにしておくと安心です。