海外の動き|2026年10月号

海外の開示ルールが、日本企業の海外拠点に届き始めた

11月10日に、カリフォルニア州で排出量の報告の最初の締め切りが来ます。ISSB基準に向けて動く国・地域も、45を超えました。各国の開示が始まる時期と、日本企業の海外拠点にかかわるルールを読み解きます。

今月の動き45超ISSB基準に向けて動く国・地域

「45を超えた」の中身

ISSB基準は、環境や人への取り組みを投資家向けにどう書くかを決めた世界共通のルールです。こうした情報を会社が投資家などに公表することを、開示と呼びます。IFRS財団(ISSB基準をつくる組織を置く財団)は9月に、この基準に向けて動く国・地域が45を超えたと示しました。

動いている国・地域45超
方針が固まった22
うち全面採用が目標18
方針を詰めている途中14
IFRS財団の資料(2026年9月)。日本は「方針が固まった22」に入っている

逆の動きもあります。米国では、証券取引委員会(SEC)が気候開示の規則を取り消す案を出しています。

主な国・地域の新しいルールは、いつから始まるのか

国・地域始まる時期最初の対象
英国2027年1月以後に始まる期間上場会社(従うか、従わない理由を説明するかを選ぶ形)
EU2027年1月以後に始まる年度従業員1,000人超、かつ売上4.5億ユーロ超のEUの会社
日本2027年3月期東証プライム上場で、時価総額(株価に株式の数をかけた会社の値段)3兆円以上の会社
韓国2027年度KOSPI(韓国の主な株式市場)上場で、連結資産10兆ウォン以上の会社

英国・EU・韓国は2027年に始まる年度から、日本は2027年3月期から、新しいルールが始まります。

日本企業に届くのは、子会社と輸出のルール

上の表の多くは、その国の上場会社が対象です。日本企業にかかわるのは、上場していない子会社や輸出まで対象にするルールです。

拠点ルールと対象の線引き始まり
米国子会社SB253(カリフォルニア州の排出量の開示法):米国で設立、州内で事業、年間売上10億ドル超2026年11月
欧州子会社CSRD(EUの報告の指令):従業員1,000人超、かつ売上4.5億ユーロ超2027年度の分から
日本の親会社CSRD:EUでの売上4.5億ユーロ超、かつEU子会社か支店の売上2億ユーロ超2028年度の分から
EUへの輸出CBAM(輸入品の製造時のCO2に払う仕組み):鉄鋼・アルミ・セメント・肥料など2026年1月

CSRDは、2026年2月の見直しで対象が大きく絞られました。それでも、欧州で大きく稼ぐ日本企業は入ります。

これから1年の締め切り

2026.11.10SB253の最初の報告
2027.2.1CBAMで、払うのに使う証書の販売が始まる
2027.9.30CBAMで、2026年分の最初の申告
法律事務所などの解説から

この仕事への影響

11月10日、カリフォルニア州のSB253で最初の報告の締め切りが来ます。1年目は、Scope1・2(自社が直接出す排出と、使った電気の分)だけです。

対象になる米国子会社の数字は、日本の本社のサステナビリティの部署が、子会社と一緒に集めます。海外子会社の経理や管理で、現地から数字を集めてきた人に向く仕事です。

EUに鉄鋼やアルミを輸出する会社には、CBAMで製品ごとのCO2の数字を求める依頼が届きます。最初の申告は2027年9月30日です。工場の生産管理や、仕入れ先からデータを集める調達の経験がある人は、この数字づくりに加われます。

面接の準備として、上場会社だけが対象のルールと、子会社や輸出まで届くルールを分けて説明できるようにしておくと安心です。

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