更新日 2026年11月3日
サステナビリティ情報の保証に使う国の基準は、JSSA 5000という名前になる見通しです。金融庁の企業会計審議会の部会が10月29日に意見書案を示し、時価総額3兆円以上の会社で保証が始まる前の2027年3月末までに、基準をつくり終えるよう求めました。監査法人でない認証機関も守れる形にするのが、この案の前提です。
意見書案は、保証の基準を手順のJSSA 5000、事務所の品質管理のJSQM 1、倫理と独立性のJESSAの3本に分けました。土台は国際監査・保証基準審議会(IAASB)が2024年11月に出したISSA 5000で、部会では日本の事情に合わせた調整だけを話し合います。
つくるのは金融庁です。日本公認会計士協会が2026年3月に出した実務指針をもとに、監査法人でなくても守れるように直します。保証をする会社を束ねる自主規制機関が、まだないからです。
国際基準にない決まりも加わりました。保証の結論を別の担当者が確かめる「審査」は、上場企業の決算の監査と同じ扱いです。保証をする会社が替わるときの引継ぎと、2社で共同して保証するときの手続きも定め、監査法人と監査法人でない会社の間で引き継ぐ場面を見込んでいます。
保証をする会社には、取締役会や監査役などと話し合うことも求めます。相手を誰にするかは、契約の前に依頼した会社と決めておくのがよいとしています。
最初の2年間に保証するのはScope1・2とガバナンス、リスク管理で、水準は監査より軽い限定的保証です。監査並みの合理的保証へ移ることは検討しません。
売上上位300社の有報で保証や検証を受けたと書いたのは39社です。機関の名前を出した17社のうち、9社は認証機関などでした。基準が監査法人でなくても守れる形でつくられる以上、認証機関にとって先決なのは、2027年4月の登録までに審査と引継ぎの仕組みを整えることです。排出量の検証をしてきた人は、JSSA 5000の手順と品質管理を身につければ、監査法人と同じ仕事を取り合う立場に立ちます。企業の側の最初の準備は、保証をする会社と話す取締役会や監査役の窓口を決めることです。