改正と制度の予定

会社が守る・追うべき国内外のルールが、いつ・どう変わるか。35の制度を、公式の資料で確かめて並べています。

次の節目

  1. EUのESG格付け規則中・大規模の格付け会社が認可を申請する期限です。
  2. カリフォルニア州の排出開示法(SB253)最初のScope1・2の報告期限です。
  3. 温対法の算定・報告・公表制度(SHK制度)熊本地震の特例で報告できなかった事業所の、延長後の期限です。
  4. CBAMの川下製品への拡大2回目の協議の予定日です。
  5. CDPの質問書の変更(2026年)この週に、回答企業へ点数が届きます。同じ週の後半に公表されます。
  6. EUの森林破壊防止規則(EUDR)大企業・中堅企業への適用が始まります。
  7. SSBJ基準の温室効果ガス排出の改正この日以後に始まる年度から、改正後の基準が適用されます。前倒しもできます。
  8. EUのCSRD見直し(オムニバス)この日以後に始まる年度から、見直し後の報告の義務がかかります。

開示

決定SSBJ

SSBJ基準の温室効果ガス排出の改正

ISSB基準(国際的なサステナ開示の基準)の改正に合わせ、排出量の開示のルールが変わりました。温対法の報告値を使う場合の扱いも、別の基準で明確にしました。

対象SSBJ基準で開示する会社です。投融資先の排出を数える金融機関に特に関係します。

  1. SSBJが「温室効果ガス排出の開示に対する改正」を公表しました。
  2. 温対法の方法で測った排出量を使う場合の実務対応基準第1号を公表しました。
  3. この日以後に始まる年度から、改正後の基準が適用されます。前倒しもできます。

出典:SSBJ「温室効果ガス排出の開示に対する改正」の公表(2026年3月13日)・SSBJ 気候関連開示基準(2026年改正)・SSBJ 実務対応基準第1号の公表(2026年6月11日)・IFRS財団「Amendments to Disclosure of Greenhouse Gas Emissions (S2)」

決定金融庁(企業会計審議会)

サステナ情報の第三者保証

SSBJ基準の義務化の翌年度から、第三者の保証が必要になります。最初の2年間は、Scope1・2の排出量とガバナンス・リスク管理に限った限定的保証です。Scope1・2は、自社の排出と、買った電気などによる排出です。

対象SSBJ基準の対象会社で、まず時価総額3兆円以上の会社です。

  1. 保証部会に、保証の基準づくりの方針を示す意見書の案が出されました。
  2. 意見書の案は、保証の基準を2027年3月末までに作ることが望ましいとしています。
  3. 保証をする事業者の登録制が始まります。
  4. 3兆円以上の会社で、保証が義務になる最初の決算(3月決算の場合)が来ます。

出典:金融庁 企業会計審議会 第3回サステナビリティ情報保証部会 資料1(意見書案、2026年10月29日)・金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)

決定金融庁

SSBJ基準の有報への適用

東証プライムの大きな会社は、有価証券報告書(有報)のサステナ情報をSSBJ基準で書きます。SSBJ基準は日本のサステナ開示の基準です。時価総額の大きい会社から順に始まります。

対象東証プライム上場で、過去5年度末の平均時価総額が1兆円以上の会社です(3兆円以上は1年早く始まります)。

  1. 内閣府令が公布・施行され、適用の対象と時期が決まりました。
  2. 3兆円以上の会社で、SSBJ基準が義務になる最初の年度が終わります。
  3. 1兆円以上の会社で、SSBJ基準が義務になる最初の年度が終わります。
  4. 金融庁の法案資料では、5千億円以上の会社は2029年3月期からの適用とされています。府令ではまだ決まっていません。

出典:金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」(2026年2月20日)・金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)

決定金融庁

改正金融商品取引法(サステナ開示・保証)

SSBJ基準による開示と、第三者の保証を法律で義務にしました。保証をする会社は国に登録する仕組みになり、監査法人以外も参入できます。

対象一定の東証プライム上場企業と、サステナ情報の保証をする事業者です。

  1. 改正法(令和8年法律第64号)が公布されました。
  2. サステナ情報の開示・保証の部分が施行されます。

出典:金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)・e-Gov法令検索「金融商品取引法」(改正履歴)

決定金融庁

SSBJ開示の二段階開示

SSBJ基準を使い始める年度とその翌年度は、サステナ情報を有報の後から出せます。後から出すときは、訂正報告書で補います。

対象SSBJ基準の適用が始まる東証プライムの会社です。

  1. 内閣府令で二段階開示の仕組みが定まりました。
  2. 3兆円以上の3月決算の会社が、SSBJ基準による最初の有報を出します。
  3. 二段階開示を選んだ会社は、翌期の半期報告書の期限までに訂正報告書を出します。

出典:金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」(2026年2月20日)

施行済み金融庁

有報の人的資本開示・総会前開示

有報で、企業の戦略と結びついた人材戦略や、平均給与の前年からの増減率などを書くことになりました。株主総会の前に有報を出しやすくする見直しも入りました。

対象有価証券報告書を出すすべての会社です。

  1. 内閣府令が公布・施行されました。
  2. この日以後に終わる年度の有報から、新しい記載が求められます。

出典:金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」(2026年2月20日)

排出量取引

案・意見募集中欧州委員会・欧州議会・EU理事会

CBAMの川下製品への拡大

CBAMの対象を、鉄鋼やアルミを使った部品などの川下製品に広げる案です。対象の品目数は、3つの機関の案で大きく異なります。

対象鉄鋼・アルミを使った製品をEUへ輸出する企業です。

  1. 欧州委員会がCBAMの改正案を出しました。
  2. 欧州議会と理事会の最初の協議(トリローグ)が開かれました。
  3. 2回目の協議の予定日です。

出典:欧州委員会「Carbon Border Adjustment Mechanism (CBAM) Questions and Answers」(2026年10月15日更新)・Mayer Brown「EU's CBAM Downstream Extension and Anti-Circumvention Amendments: The Road to Trilogue」(解説、data/world_news.json)

施行済み欧州委員会

EUの炭素国境調整措置(CBAM)の本番

鉄鋼・アルミなどをEUに輸入するとき、製品に含まれる排出量に応じてCBAM証書を買って納めます。2026年から本番の制度になりました。

対象年50tを超えてCBAMの対象品を輸入する事業者と、そこへ輸出する日本企業です。

  1. CBAMの本番の制度が始まりました。
  2. CBAM証書の販売が始まります。
  3. 2026年分の最初の年次申告と、証書の引き渡しの期限です。

出典:欧州委員会「CBAM definitive regime」・欧州委員会「Carbon Border Adjustment Mechanism (CBAM) Questions and Answers」(2026年10月15日更新)

施行済み経済産業省

GX-ETSの上限・下限価格

排出枠の価格が上がりすぎたり下がりすぎたりしないよう、国が上限と下限を毎年度決めます。期限までに枠を持たない会社は、上限価格の1.1倍の負担金を払います。

対象GX-ETSの対象事業者です。

  1. 上限(参考上限取引価格)と下限(調整基準取引価格)の仕組みが施行されました。
  2. 法律にもとづき、2027年度の価格を年度の始まる前に定めます。

出典:e-Gov法令検索 GX推進法 第39条・第116条ほか・東北経済産業局「排出量取引制度について」(2026年5月、岩手県掲載資料)

施行済み欧州委員会

EU ETSの海運への適用

EUの排出量取引制度(EU ETS)で、船会社が納める排出枠の割合が段階的に上がります。2027年からは報告した排出の全量が対象です。

対象EUの港を使う船会社と、運賃で費用を負担する荷主です。

  1. EU ETSが海運の排出を対象にし始めました。
  2. 2025年の排出の70%分の排出枠を納めました。
  3. 2026年の排出から、100%分を納めるようになります。

出典:欧州委員会「Reducing emissions from the shipping sector」

施行済み経済産業省

排出量取引制度(GX-ETS)の義務化

CO2を多く出す会社に、排出量と同じ量の排出枠を持つことを法律で義務づけました。移行計画(排出削減の目標と投資の計画)も毎年度出します。

対象CO2の直接排出が直近3年度平均で年10万t以上の事業者です(300〜400社程度)。

  1. 改正GX推進法(令和7年法律第52号)が公布されました。
  2. 排出量取引の部分が施行され、義務の制度が始まりました。
  3. 対象である旨の届出と、移行計画の提出の期限でした。
  4. 2026年度の実績報告と、2026・27年度分の割当ての届出の期限です。
  5. 国が排出枠を無償で割り当て、取引市場が開きます。
  6. 2026年度の排出量と同じ量の排出枠を持つ、最初の期限です。
  7. 2033年度から、発電部門に有償のオークションが段階的に入ります。

出典:e-Gov法令検索「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(GX推進法)・東北経済産業局「排出量取引制度について」(2026年5月、岩手県掲載資料)

決定欧州委員会

EUの第2の排出量取引(ETS2)

建物と道路輸送などの燃料に、別の排出量取引を広げます。燃料を供給する事業者が排出枠を納めます。

対象EUで燃料を供給する事業者です。燃料価格を通じて、EUの拠点や物流にも費用が及びます。

  1. 排出量の監視と報告が始まりました。
  2. 2025年分の報告から、認定を受けた検証機関が確かめます。
  3. ETS2が本格的に動き出し、排出枠を納める義務が始まります。

出典:欧州委員会「ETS2: buildings, road transport and additional sectors」

案・意見募集中欧州委員会

EU ETSの見直し案(2026年7月)

2031年以降の排出枠の減らし方をゆるめ、無償の割当てを2030年より後も続ける案です。ごみ焼却への拡大や、海運・航空の強化も入っています。

対象EU域内の工場・発電所、海運・航空の事業者と、CBAMの対象品の輸出企業です。

  1. 欧州委員会がEU ETSの見直し案を出しました。

出典:欧州委員会(マルタ代表部)「Commission boosts Europe's competitiveness, decarbonisation and independence with Electrification Action Plan and ETS review」(2026年7月17日)・欧州委員会「Reducing emissions from the shipping sector」

省エネ・温対

施行済み環境省・経済産業省

温対法の算定・報告・公表制度(SHK制度)

2026年度の報告から、ごみ焼却の廃熱を受けて使った分は排出に数えなくてよくなりました。森林などの吸収量を任意で報告できる見直しも入りました。

対象温室効果ガスを多く出す事業者(特定排出者)です。

  1. 算定省令の改正(廃熱の扱い)が公布されました。
  2. 報告命令の改正(森林等の吸収の扱い)が公布されました。
  3. どちらの改正も施行されました。
  4. 熊本地震の特例で報告できなかった事業所の、延長後の期限です。
  5. 2027年度の報告(2026年度の実績)から、森林等の吸収量を報告できます。

出典:環境省 報道発表「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令の一部を改正する省令」の公布について(2026年1月21日)・環境省 報道発表「温室効果ガス算定排出量等の報告等に関する命令の一部を改正する命令」の公布について(2026年2月12日)・環境省「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」ウェブサイト

決定国土交通省

建築物省エネ法の改正(ライフサイクルカーボン)

資材づくりから解体までの建物のCO2(ライフサイクルカーボン)を評価し、一定の建物は着工の14日前までに国へ届け出ます。住宅の大手供給者の目標制度も強まります。

対象一定の用途・規模の建物の建築主(具体的には政令で決まります)と、住宅の大手供給事業者です。

  1. 改正法(令和8年法律第75号)が公布され、法律の名前も変わりました。
  2. 上位住宅トップランナー制度と、先導的な省エネ技術の大臣認定が始まります。
  3. 残りの規定は、公布から2年以内に政令で決める日に施行されます。
  4. 国の検討会は、2028年度をめどに建物のLCA(一生の環境負荷の評価)を促す制度を始めるとしています。

出典:国土交通省「『建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案』を閣議決定」(2026年3月27日)・国土交通省「改正建築物省エネ法の施行に伴う関係政令を閣議決定」(2026年9月11日)・国土交通省 建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会・e-Gov法令検索「建築物のエネルギー消費性能の向上及び脱炭素化の促進に関する法律」(改正履歴)

施行済み経済産業省(資源エネルギー庁)

省エネ法のデータセンター向け措置

データセンターの事業者は、中長期計画書に目標と、データセンターごとの運用・新設・更新の方針を添えることになりました。

対象省エネ法の報告義務があり、データセンターを運営・利用して情報処理の設備や機能を提供する事業者です。

  1. 省エネ法施行規則の改正(令和7年経済産業省令第81号)が公布されました。
  2. 改正規則が施行されました。
  3. 中長期計画書と定期報告書の提出期限は、毎年度7月末日です。

出典:e-Gov法令検索「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律施行規則」

施行済み経済産業省ほか製品の所管省庁

再生プラスチックの利用計画(資源有効利用促進法)

決められた製品の大手メーカーなどは、再生プラスチックを使う計画を国に出し、毎年度その実施状況を報告します。取り組みが足りないと勧告・命令の対象になります。

対象プラ容器包装(年1万t以上)、自動車(1万台以上)、家電4品目(5万台以上)を作るか輸入して売る事業者です。

  1. GX推進法とあわせた改正法(令和7年法律第52号)が公布されました。
  2. 対象の製品と規模を定める施行令の改正が公布されました。
  3. 再生プラスチックの利用計画の制度が施行されました。

出典:e-Gov法令検索「資源の有効な利用の促進に関する法律」第21条〜第25条・e-Gov法令検索「資源の有効な利用の促進に関する法律施行令」第4条・第16条

サプライチェーン・人権

決定出入国在留管理庁・厚生労働省

育成就労制度

技能実習に代わり、外国人を育てて特定技能の水準にする育成就労が始まります。同じ業務の区分なら、一定の条件で本人の希望による転籍もできます。

対象外国人を受け入れる会社(育成就労実施者)と監理支援機関です。

  1. 監理支援機関の許可の申請受付が始まりました。
  2. 育成就労計画の認定の、施行前の申請受付が始まりました。
  3. 技能実習計画の認定を申請できる最後の日です(6月30日までに開始が条件)。
  4. 育成就労制度の運用が始まります。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」

施行済み国土交通省・経済産業省・農林水産省

物流効率化法(CLOの選任など)

一定規模以上の荷主と物流事業者は「特定事業者」となり、中長期計画と定期報告が義務になりました。荷主は役員級の物流統括管理者(CLO)を選びます。

対象取扱貨物9万t以上の荷主、保有車両150台以上の運送事業者、保管量70万t以上の倉庫業者などです。

  1. 改正物流効率化法の特定事業者の制度が始まりました。
  2. 特定事業者の指定の届出の期限(5月末、初回のみ)でした。
  3. 初年度の中長期計画の提出期限(10月末)でした。
  4. 最初の定期報告の期限(7月末)です。以後も毎年度7月末です。

出典:国土交通省「改正物流効率化法の施行に伴う義務」・国土交通省 物流政策課「物流効率化法における特定荷主等の指定の届出について」(2026年4月)

決定欧州委員会

EUの人権・環境デューデリジェンス指令(CSDDD)

オムニバスで、対象を従業員5,000人超・売上15億ユーロ超の会社に絞りました。気候の移行計画の義務はなくなり、罰金の上限は世界売上の3%です。

対象EUの大企業と、EU域内の売上が15億ユーロ以上の域外企業です。取引先として日本企業も調査を受けます。

  1. 見直しの指令(EU)2026/470が発効しました。
  2. 欧州委員会が主な手引き(ガイドライン)を出す期限です。
  3. 加盟国が国内法を作って公表する期限です。
  4. 国内法の適用が始まります。
  5. この日以後に始まる年度から、報告の義務がかかります。

出典:欧州委員会「Corporate sustainability due diligence」・欧州議会 Legislative Train「Omnibus I」

決定欧州委員会

EUの強制労働製品禁止規則

強制労働で作られた製品は、EUで売ることもEUから輸出することもできなくなります。会社の大きさは問いません。

対象EUで製品を売る、またはEUから輸出するすべての事業者と、その取引先です。

  1. 規則(EU)2024/3015が採択されました。
  2. 準備のための資料集と、共通の窓口サイトが公開されました。
  3. 規則の適用と取り締まりが始まります。

出典:欧州委員会「Forced Labour Regulation」

海外

施行済みカリフォルニア州大気資源局(CARB)

カリフォルニア州の排出開示法(SB253)

州で事業をする売上10億ドル超の会社に、温室効果ガス排出の報告を求めます。1年目はScope1・2だけで、保証がなくても受け付けます。2027年以降の期限や保証の要件は、これからの規則で決めます。

対象カリフォルニア州で事業をする、年間売上10億ドル超の米国の会社(日本企業の米国子会社を含みうる)です。

  1. 州の行政法局が、CARBの最初の規則を承認しました。
  2. 最初のScope1・2の報告期限です。

出典:CARB「California Corporate Greenhouse Gas (GHG) Reporting and Climate Related Financial Risk Disclosure Programs」・CARB「California Corporate Greenhouse Gas Reporting: Guidance for SB 253 2026」

施行済みCDP(企業の環境情報を集めて点数を付ける団体)

CDPの質問書の変更(2026年)

2026年の質問書に海洋の質問が加わり、森林やプラスチックの質問も見直されました。中小企業向けの気候の質問で、A評価を取れるようになりました。

対象投資家や取引先からCDPへの回答を求められる企業です。

  1. 点数が付く回答の期限でした。
  2. この週に、回答企業へ点数が届きます。同じ週の後半に公表されます。

出典:CDP「Disclosure 2026」・CDP Help Center「Understand your score as a disclosing company」

決定欧州委員会・欧州議会・EU理事会

EUのCSRD見直し(オムニバス)

EUのサステナ報告指令(CSRD)の対象を、従業員1,000人超かつ売上4.5億ユーロ超の会社に絞りました。EU域外の企業グループは、EU域内売上4.5億ユーロ超などが条件です。

対象欧州に大きな子会社や拠点を持つ日本企業です。

  1. 欧州議会と理事会が暫定合意しました。
  2. オムニバス指令(EU)2026/470がEU官報に載りました。
  3. オムニバス指令が発効しました。
  4. この日以後に始まる年度から、見直し後の報告の義務がかかります。
  5. 加盟国が見直し後のCSRDを自国の法律に取り込む期限です。

出典:欧州議会 Legislative Train「Omnibus I - simplification of the directives on corporate sustainability reporting (CSRD) and due diligence (CSDDD)」・欧州委員会 委任規則 C(2026) 5010(改訂ESRS、2026年7月3日)

決定欧州委員会

改訂ESRS(欧州サステナ報告基準の簡素化)

ESRS(CSRDで使う報告基準)の開示項目を減らし、数字の項目を優先する形に改めました。重要な情報だけを報告すればよいことも明確にしました。

対象CSRDの対象になる企業(日本企業の欧州子会社を含む)です。

  1. 欧州委員会が改訂ESRSの委任規則を採択しました。
  2. 2026年1月1日以後に始まる年度も、前倒しで使えます。
  3. この日以後に始まる年度から、改訂ESRSが義務になります。

出典:欧州委員会「Corporate sustainability reporting」・欧州委員会 委任規則 C(2026) 5010(2026年7月3日)

決定FCA(英国金融行為監督機構)

英国の上場会社のUK SRS開示

上場会社に、ISSB基準をもとにした英国基準(UK SRS)での開示を求めます。義務ではなく、従うか理由を説明する形です。Scope3は1年、気候以外は2年遅らせられます。

対象英国の上場会社で、二次上場や預託証券の会社を含みます。

  1. FCAがルールを確定させる文書(PS26/19)を出しました。
  2. この日以後に始まる会計期間から適用され、最初の報告は2028年です。

出典:FCA「PS26/19: Aligning listed issuers' sustainability disclosures with international standards」(2026年9月30日)

決定SBTi(科学的根拠にもとづく目標づくりの国際団体)

SBTiの企業ネットゼロ基準 第2版

企業のネットゼロ目標の基準が第2版になりました。移行期間のあと、新しく出す目標は第2版に合わせる必要があります。

対象SBT(科学的根拠にもとづく削減目標)を作る、または更新する企業です。

  1. 今の第1.3.1版で、短期目標の削減量の数え方が改められました。
  2. 第2版でも目標を出せるようになります。
  3. 第1.3.1版で目標を出せる最後の日です。
  4. 新しく出す目標は、すべて第2版に合わせます。

出典:SBTi「Net-Zero」・環境省「SBT(Science Based Targets)について」(2026年10月8日版)

検討中GHGプロトコル(排出量の数え方の国際基準)

GHGプロトコルの基準改訂

Scope1〜3をまとめた新しい企業向け基準を、ISOと共同で作っています。Scope2では、電力を1時間ごとに合わせる方法が検討されています。

対象温室効果ガスの排出量を数えて開示するすべての企業です。

  1. Scope3の改訂で、排出量の95%以上を報告させる案が途中経過で示されました。
  2. 新しい基準案の意見募集を、2027年4〜6月に行う予定です。
  3. 基準の完成は、2028年10〜12月の予定です。

出典:GHG Protocol「Scope 2 market-based method update: 2025-2026 public consultation & current status」(2026年10月16日)・GHG Protocol「Scope 3 Standard Phase 1 Progress Update」(2026年3月31日)

案・意見募集中EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)・欧州委員会

EU域外企業向けの報告基準(ESRS-40a)

EUで大きく事業をする域外の企業グループが、グループ全体で使う報告基準の案です。EFRAGが案をつくり、意見を集めました。最初の報告は、2028年度の数字で2029年に出します。

対象EU域内売上が2年続けて4.5億ユーロ超で、売上2億ユーロ超のEU子会社か支店がある域外企業グループです。

  1. EFRAGが基準案の意見募集を始めました。
  2. 意見募集が締め切られました。

出典:EFRAG「ESRS for Certain Non-EU Undertakings in Accordance with Article 40a」

検討中カリフォルニア州大気資源局(CARB)

カリフォルニア州の気候リスク報告法(SB261)

売上5億ドル以上の会社に、気候に関する財務リスクの報告を2年ごとに求める法律です。裁判所の差し止めで、今は止まっています。

対象カリフォルニア州で事業をする、年間売上5億ドル以上の米国の会社です。

  1. 連邦控訴裁判所の差し止めが続き、CARBはその間は執行しないとしています。

出典:CARB「California Corporate Greenhouse Gas (GHG) Reporting and Climate Related Financial Risk Disclosure Programs」・Morgan Lewis「California's Climate Disclosure Regulations Receive Final Approval Ahead of November Reporting Deadline」(解説、data/world_news.json)

金融

施行済みESMA(欧州証券市場監督局)

EUのESG格付け規則

EUでESG格付け(環境・社会・ガバナンスの評価)を出す会社に、ESMAの認可が必要になりました。小さな格付け会社には、3年間の緩い仕組みがあります。

対象EUでESG格付けを提供する会社と、その格付けを受ける企業です。

  1. 規則(EU)2024/3005の適用が始まりました。
  2. 事業を続ける意思の届出の期限で、認可申請の受付が始まりました。
  3. 中・大規模の格付け会社が認可を申請する期限です。

出典:ESMA「ESG Rating Providers」

施行済み欧州委員会

EUタクソノミーの報告の簡素化

EUタクソノミー(環境に良い経済活動の分類)の報告に、重要性の基準が入りました。報告の様式も簡単になり、活動の基準そのものの見直しも始まっています。

対象CSRDの対象企業と、EUの金融機関です。

  1. 欧州委員会が報告を簡単にする委任規則を採択しました。
  2. 委任規則(EU)2026/73が官報に載り、2026年1月1日にさかのぼって適用されました。
  3. 活動ごとの基準の見直しについて、意見の受付を始めました。

出典:欧州委員会「EU taxonomy for sustainable activities」・Linklaters「EU Delegated Act on simplifying Taxonomy reporting published in the Official Journal」(解説、data/world_news.json)

自然

決定欧州委員会

EUの森林破壊防止規則(EUDR)

牛・カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・木材・ゴムなどが森林破壊と無関係だと確かめないと、EUで売れなくなります。適用は2度延び、簡素化も入りました。

対象対象の品をEUで売る事業者と、その原料の調達先です。

  1. 2回目の改正で、さらに手続きが簡単になりました。
  2. 大企業・中堅企業への適用が始まります。
  3. 小規模・零細の事業者への適用が始まります。
  4. インスタントコーヒーなど、追加された品目への適用が始まります。

出典:欧州委員会「Regulation on deforestation-free products」

案・意見募集中ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)

ISSBの自然関連開示の案

自然に関するリスクと機会の書き方を示す実務記述書の案です。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の考え方を大きく取り入れています。基準として出すかどうかも問うています。

対象ISSB基準やSSBJ基準で開示する企業と金融機関です。

  1. ISSBが公開草案を出し、意見募集を始めました。
  2. 意見募集が締め切られます。

出典:IFRS財団「ISSB consults on proposals for nature-related disclosures」(2026年10月22日)・SSBJ「ISSBが公開草案『IFRSサステナビリティ開示実務記述書第1号「自然関連開示」』を公表」

検討中TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)

TNFDの役割の変化

TNFDは、自らの評価・開示の技術的な作業を終えたとしています。今後は、ISSBの基準づくりを支え、各地で企業の力をつける活動をします。

対象TNFDの提言に沿って開示している企業・金融機関です。

  1. ISSBの発表で、TNFDの共同議長が技術的な作業の完了を述べました。
  2. TNFDの内容を取り込んだISSB案への意見募集が締め切られます。

出典:IFRS財団「ISSB consults on proposals for nature-related disclosures」(2026年10月22日)