評価機関

投資家や取引先が見る評価・指数・認定の12機関。何を見て、いつ結果が出て、最近なにが変わったか。

評価・格付け

CDP

気候変動・森林・水セキュリティの質問書への回答に点数をつけます。2026年は海洋・プラスチック・生物多様性も答えられますが、点数はつきません。

見る人
投資家と、仕入れ先を選ぶ大企業が、会社の環境の取り組みを比べるために見ます。
点数の形
A〜D-の8段階(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)
1年の流れ
2026年は6月15日の週に回答の受付が始まり、点数がつく回答の期限は9月16日でした。点数は11月30日の週に回答企業に届き、同じ週に公表されます。

最近の変更

これからの予定

  • この日の週に、2026年の点数が回答企業に届き、公表されます。
  • 組織の分割が終わる見込みです(発表から約6か月。規制当局の承認が条件)。

出典:CDP Help Center「Understand your score as a disclosing company」・CDP「A List 2025」・CDP 気候変動レポート2022 日本版・CDP「CDP announces foundation CEO」・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

評価・格付け

MSCI ESG格付け(MSCI ESG Ratings)

業種ごとに財務に効く環境・社会・企業統治のリスクと機会を選び、同業の中でどれだけ上手に管理しているかを評価します。会社の開示に加え、ほかのデータも使います。

見る人
株式や債券に投資する運用会社が、銘柄選びやESG指数づくりに使います。
点数の形
AAA〜CCCの7段階(同じ業種の中で比べる)
1年の流れ
質問書は送らず、公開情報から評価します。会社はMSCI ONEの発行体向けポータルで、年間を通じてデータの誤りを伝えられます。2026年のモデル更新では、年1回が中心だった格付けの見直しを、開示が出るたびに反映する形に移すとしています。

最近の変更

これからの予定

  • MSCIの定期的な指数の見直しの発表日です。入れ替えは12月1日に発効します。
  • 次の定期的な指数の見直しの発表日です。入れ替えは3月1日に発効します。

出典:MSCI ESG Ratings・MSCI ESG Ratings: 2026 Model Updates FAQs(2025年10月)・MSCI「Sustainability & Climate: Resources and Disclosures」・MSCI Announces the Next Eight Index Review Dates(2026年8月12日)・GPIF サステナビリティ投資報告 2025・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

指数

FTSE Russell(FTSE ESGスコア/FTSE4Good/FTSE JPX Blossom Japan)

公開情報だけをもとに、環境・社会・企業統治の点数(FTSE ESGスコア)をつけます。その点数で、FTSE4GoodやFTSE JPX Blossom Japanなどの指数の銘柄を選びます。

見る人
指数に連動して運用する年金や運用会社が見ます。GPIFも、この評価をもとにした指数を使っています。
点数の形
0〜5点(5がいちばん高い)。Blossom Japanは3.3点以上で新しく入り、2.9点を下回ると外れる候補
1年の流れ
評価は年1回で、会社は専用のサイトで2〜4週間、内容を確かめて意見を出せます。点数は6月と12月の指数の見直しで公表され、入れ替えは6月と12月の第3金曜日の取引終了後です。

最近の変更

これからの予定

  • Blossom Japanなどの12月の見直しで、この日の取引終了後に銘柄が入れ替わります。
  • 次の見直しです。入れ替えは6月の第3金曜日の取引終了後です。

出典:FTSE Russell「Corporate engagement within sustainable investment」(2025年9月)・Ground Rules FTSE JPX Blossom Japan Index v3.2(2026年4月)・FTSE JPX Blossom Japan Index Constituents June 2026 Review・EU ESG Ratings Regulation FAQ(FTSE Russell, 2026年6月)・FTSE Russell ESG Scores・GPIF サステナビリティ投資報告 2025・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

評価・格付け

S&P Global CSA(Dow Jones Best-in-Class指数)

CSA(企業サステナビリティ評価)は、ガバナンスと経済、環境、社会について、会社が答える質問票で採点します。点数の高い会社が指数や年鑑(Sustainability Yearbook)に選ばれます。

見る人
投資家と指数の作り手が見ます。CSAの結果で、Dow Jones Best-in-Class指数(旧DJSI)の銘柄が決まります。
点数の形
S&P GlobalのESGスコア(点数の幅は、公式サイトが自動取得を拒否するため未確認)
1年の流れ
指数の年1回の入れ替えは、CSAの参加時期に合わせて、12月から4月末の最終営業日の取引終了後に移りました。CSAの回答期間と点数の公表日は、公式サイトで確かめられていません。

最近の変更

これからの予定

  • 新しい日程どおりなら、次の指数の入れ替えは4月の最終営業日の取引終了後です。

出典:S&P Dow Jones Indices Announces Dow Jones Best-in-Class Indices 2026 Review Results・ソフトバンクグループ「S&Pグローバル社のサステナビリティ評価において、5年連続で『The Sustainability Yearbook Member』に選定」(2026年2月19日)・GPIF サステナビリティ投資報告 2025・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

評価・格付け

Morningstar Sustainalytics(ESGリスク・レーティング)

業種ごとに財務に効く約20の課題について、会社がさらされているリスクと、管理しきれていないリスクの大きさを測ります。不祥事(論争)の調査も評価に入ります。

見る人
運用会社や銀行が、投資先や融資先のESGのリスクを比べるために使います。
点数の形
管理しきれていないリスクの大きさで5段階(無視できる・低・中・高・深刻)。点数が低いほどよい
1年の流れ
年1回、アナリストが会社に連絡し、会社は2週間でデータを確かめて意見を出せます。重い不祥事(区分4・5)の評価では、確かめる期間は48時間です。

最近の変更

これからの予定

  • EUで事業を続ける大手・中堅の格付け会社の、認可の申請期限です(Sustainalyticsは9月に申請済み)。

出典:Morningstar Sustainalytics「ESG Risk Ratings Issuer Backgrounder」・Morningstar Sustainalytics「ESG Data」・Morningstar Sustainalytics Information Center for Issuers・Morningstar Sustainalytics Submits ESMA Application・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

評価・格付け

ISS ESG(ISSコーポレート・レーティング)

会社のバリューチェーン(原料から製品の使用・廃棄まで)を通じたESGの取り組みを、業種ごとに評価します。

見る人
運用会社が、投資先の選定や議決権の行使の参考にします。
点数の形
D-〜A+(業種の中で絶対評価)
1年の流れ
年1回の定期的な更新に加え、買収などの大きな出来事があれば随時更新します。会社が意見を出す手順の細かい内容は、公式ページで確かめられていません。

最近の変更

これからの予定

  • EUで事業を続ける大手・中堅の格付け会社の、認可の申請期限です(ISSの対応は公式で未確認)。

出典:ISS STOXX「Corporate Rating」・ISS STOXX「Methodology」・ESMA「ESG Rating Providers」・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

評価・格付け

EcoVadis(エコバディス)

環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の4分野で、方針・取り組み・実績を書類で確かめて採点します。上場していない中小の会社も、取引先に求められて受けます。

見る人
大企業の購買部門が、仕入れ先を選んだり管理したりするために見ます。
点数の形
0〜100点。メダルは過去12か月の全評価企業の中の順位で、プラチナ上位1%・ゴールド5%・シルバー15%・ブロンズ35%
1年の流れ
決まった回答期間はなく、会社が申し込んで回答と書類を出します。結果の有効期間は1年で、受け直すのは会社が決めたときか買い手が求めたときです。

最近の変更

これからの予定

  • EUでの認可の正式な申請期限です。
  • ESMAの審査が終わる見込みです(EcoVadisの説明)。

出典:EcoVadis 評価・EcoVadis メダル・認定制度・EcoVadis Trust Center「ESG Ratings Disclosure Obligations in the European Union」・EcoVadisブログ「【2024年最新データ】EcoVadis評価に見る日本企業のサステナビリティ動向と課題」・EcoVadis「Sustainability Rating Methodology disclosure document」(V10.0)・金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る行動規範」の受入れを表明した評価機関等リスト(令和8年6月30日時点)

目標の認定

SBTi(SBT:科学的根拠に基づく目標)

会社の温室効果ガスの削減目標が、気温上昇を1.5℃に抑える道筋に合っているかを確かめて認定します。

見る人
投資家と、仕入れ先に削減目標を求める大企業が、目標の確かさを見るのに使います。
点数の形
点数はなく、認定を受けたか、目標を出すと約束した(コミット)段階かで示します
1年の流れ
決まった年間の日程はなく、会社が目標を出して審査を受けます。認定のあとは排出量を毎年開示し、目標は5年ごとに見直します。

最近の変更

これからの予定

  • 第2.0版での目標の提出が始まります。2028年1月31日までは旧版(第1.3.1版)でも出せます。
  • 第2.0版での提出が義務になります(環境省の資料による)。

出典:環境省「SBT(Science Based Targets)について」(2026年10月8日版)・SBTi「The Corporate Net-Zero Standard Development」・SBTi News・SBTi Target Dashboard

目標の認定

RE100

事業で使う電気を2050年までに100%再生可能エネルギーにすると約束した会社の集まりです。国際NGOのClimate Groupが運営し、加盟の可否と、再エネを使ったという主張が認められるかを判断します。

見る人
取引先や投資家が、会社の電気を再生可能エネルギーに切り替える約束の進み具合を見ます。
点数の形
点数はありません。目標の最低線は2030年に60%、2040年に90%、2050年に100%です
1年の流れ
加盟した会社は、CDPの質問書の決まった設問に答えて、毎年の進み具合を報告します。

最近の変更

出典:RE100 Technical FAQs(2025年8月7日更新)・Climate Group「RE100」

指数

GPIFが採用するESG指数

国内株6つ、外国株3つの計9指数です。指数会社はFTSE、MSCI、S&P、Morningstarです。ESGの総合評価のほか、女性活躍や炭素効率をテーマにした指数もあります。

見る人
公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、株式の運用に使います。
点数の形
指数ごとに違います(選別型は評価の高い銘柄だけを入れ、ティルト型は評価に応じて投資の重みを変えます)
1年の流れ
銘柄の入れ替えは指数ごとのルールで行われます。GPIFは毎年、サステナビリティ投資報告で指数ごとの運用額を公表しています。

最近の変更

これからの予定

  • FTSE JPX Blossom Japanの12月の見直しで、この日の取引終了後に銘柄が入れ替わります。

出典:GPIF サステナビリティ投資報告 2025・GPIF「ESG指数に基づく株式運用」

開示の枠組み

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)

会社が、水・土・森・生き物にどれだけ頼り、どんな影響を与えているかを開示するための提言です。点数はつけず、開示の手順と項目を示します。

見る人
投資家や金融機関が、会社の自然への依存と影響を知るために見ます。
点数の形
点数はありません。開示に使う会社は「TNFD Adopter(採用者)」として登録できます
1年の流れ
決まった年間の日程はありません。2023年9月に提言が出ました。

最近の変更

これからの予定

  • ISSBの自然の開示の案への意見募集が締め切られます。

出典:IFRS財団「ISSB consults on proposals for nature-related disclosures」(2026年10月22日)・各社の有価証券報告書(data/flags.json)

開示の枠組み

SSBJ(サステナビリティ基準委員会)

日本のサステナビリティ開示の基準(SSBJ基準)を作ります。中身は国際的なISSB基準とほぼ同じで、適用基準・一般基準・気候基準の3本です。

見る人
投資家が、有価証券報告書のサステナビリティの情報を比べるときの物差しになります。
点数の形
点数はありません。有価証券報告書に書く項目と書き方を決める基準です
1年の流れ
東証プライムの会社が、毎年の有価証券報告書で使います。時価総額3兆円以上の会社から順に義務になり、3月決算なら有報の提出は6月末です。

最近の変更

これからの予定

  • 時価総額3兆円以上の会社で、SSBJ基準が義務になる最初の年度が終わります。
  • 3兆円以上の3月決算の会社が、SSBJ基準を使った最初の有報を出します。
  • 1兆円以上の会社で義務になる最初の年度が終わります。3兆円以上の会社では第三者の保証が始まります。

出典:SSBJ基準(2025年3月公表)・金融庁「『企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令』等の公布及びパブリックコメントの結果について」(2026年2月20日)・金融庁 改正金融商品取引法の説明資料(第221回国会)・SSBJ お知らせ