更新日 2026年11月1日
環境省が公表した2024年度と2025年度の契約を、1件ずつ数えました。物品と役務の契約で、全部で4,004件、約2,820億円です。年度の総額を並べただけでは見えないことが、4つありました。
年度の総額は、2024年度が1,872億円、2025年度が948億円です。並べると、1年でほぼ半分に減ったように見えます。
2024年度には、桁の違う契約が2件ありました。双葉町の減容化施設(中間貯蔵施設)での廃棄物処理の業務です。2024〜2025年度の2年分を、2024年度の契約として結んでいます。共同企業体の2つが、494.5億円と448.7億円で受けました。
| 年度 | 件数 | 総額 | 大型2件を除く |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2,119件 | 1,872億円 | 929億円 |
| 2025年度 | 1,885件 | 948億円 | 948億円 |
この2件だけで、2024年度の総額のほぼ半分です。2件を除くと、2024年度は929億円で、2025年度とほぼ同じになります。
年度ごとの伸びを語るときは、まず大きな契約を外して比べる必要があります。このサイトの数字も、同じ理由で、年度の比較は環境省だけで行っています。NEDOなどは、年度によって集めた契約の範囲が違うためです。
契約の日付で数えると、4月がとびぬけて多くなります。2024年度は2,119件のうち1,034件、2025年度は1,885件のうち960件が4月の契約でした。どちらの年も、ほぼ半分です。
4月1日の1日だけで、2024年度は867件、2025年度は776件あります。金額で見ると、2025年度の総額の73%が4月の契約です。
4月の契約の多くは、前の年度のうちに公告されています。2026年4月に結ばれた競争入札のうち、公告日が分かった351件を調べると、333件が1月から3月の公告でした。
国の仕事を受ける側から見ると、勝負は前の年度の冬に始まっています。4月になってから公告を探しても、その年度の大きな仕事の多くは、もう決まった後です。
受けた相手を種類で分けました。コンサルとして数えたのは、シンクタンク、環境調査会社、Big4、戦略・総合コンサル、建設コンサルタントです。Big4は、大手の会計事務所のグループです。
| 年度 | コンサルの件数 | コンサルの金額 | 総額に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 334件 | 201.7億円 | 10.8% |
| 2025年度 | 326件 | 170.8億円 | 18.0% |
割合は上がっていますが、金額は減っています。分母の総額が、上の大型2件の分だけ小さくなったためです。
残りの8割以上は、ほかの会社や、廃棄物の処理などを受ける共同企業体、研究機関、財団、大学に流れています。「国の環境の委託」と聞いて思い浮かべる調査や計画づくりは、全体の一部です。
研究機関や財団も含めて、名前をまとめた相手先で比べました。2年分の件数で多いのは、自然環境研究センター(財団、114件)、いであ(87件)、日本エヌ・ユー・エス(73件)です。金額では、国立環境研究所の64.4億円、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の50.9億円が上位でした。コンサルやシンクタンクでは、デロイト トーマツの45.4億円が最も多くなっています。
契約の件名から、テーマを分けて数えました。企業の開示や金融に関わる委託は、2024年度が19件・7.2億円、2025年度が17件・7.0億円です。件数で全体の1%にも届きません。
| テーマ | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 脱炭素・GX | 245件・313.8億円 | 246件・328.5億円 |
| 生物多様性・自然 | 448件・55.4億円 | 379件・49.7億円 |
| 化学物質・公害 | 297件・53.8億円 | 252件・44.2億円 |
| 開示・金融 | 19件・7.2億円 | 17件・7.0億円 |
脱炭素・GXは、件数も金額も2年でほぼ同じです。件数がいちばん多いのは、生物多様性・自然でした。
SSBJ基準の適用や第三者保証の準備で、開示の支援の需要は増えています。ただ、その仕事を頼むのは上場企業です。国の委託のデータを見ても、開示の市場の大きさは分かりません。
対象は、環境省が公表した物品・役務の契約です。工事は入れていません。2024年度と2025年度の全期間を使いました。会社の名前は、グループごとにまとめて数えています。テーマは件名の言葉で分けたもので、1件が複数のテーマに入ることがあります。