国の委託|2026年10月号

環境省の委託の件数、会社ではいであが最多

環境省の委託を2024年4月から2026年8月まで件数で数えました。会社に限ると、上位3社は環境調査を本業にする会社です。3社の姿と受けている仕事、Big4との違いを、契約の記録と各社の公式サイトから読み解きます。

今月の動き125件会社で最多、いであ

会社の上位3社は、環境調査が本業

自然環境研究センター(財団)161
いであ125
日本エヌ・ユー・エス107
エックス都市研究所94
国立環境研究所88
三菱UFJリサーチ85
デロイト トーマツ80
みずほ75
日本工営63
自然公園財団62
環境省のみ。物品・役務の契約の件数の上位10(2024年4月〜2026年8月)。会社はグループでまとめた数。みずほはリサーチ&テクノロジーズとみずほ銀行の合計

件数がいちばん多い相手先は、一般財団法人の自然環境研究センターで161件です。会社に限ると、いであの125件が最多です。日本エヌ・ユー・エスとエックス都市研究所が続きます。

Big4(デロイト トーマツ、PwC、KPMG、EYの4つの会計事務所グループ)では、デロイトが80件で7位です。ほかの3社は、KPMGが19件、EYが11件、PwCが5件でした。

金額で並べると、順位が変わります。上位は、1件で100億円を超える契約を受けた共同企業体(複数の会社が組んだ受け手)です。それを除くと、国立環境研究所が72.6億円、エックス都市研究所が59.6億円、デロイトが53.4億円です。いであは42.6億円です。

会社の上位3社は、どんな会社か

会社公式サイトで分かること
いであ環境と建設のコンサルタント。1968年に気象予報の会社として始まり、翌年から環境調査を手がける。従業員1,112名
日本エヌ・ユー・エス1971年に原子力のコンサルティング会社として設立。いまは環境・エネルギー・安全防災・ITの4分野。日揮ホールディングスが88.88%を出資
エックス都市研究所1971年設立。まちづくり、温暖化対策、廃棄物と資源循環などの調査と計画づくり。社員155名

3社が受けている仕事の中身

いであは、水と化学物質の仕事が中心です。件名に「水」を含む契約が38件あり、有明海の再生や水俣条約の調査を毎年受けています。2024年度には、浪江町で除染などに必要な住民の同意を集める支援を5億2,800万円で受けました。

日本エヌ・ユー・エスは、放射線の健康影響の研究調査を3年続けて受けています。2024年度は3億3,000万円でした。PFAS(有機フッ素化合物)のリスク評価も毎年の仕事です。

エックス都市研究所は、廃棄物の仕事が中心です。2024年度には、指定廃棄物等の処理の支援を8億4,447万円で受けました。水銀やプラスチック汚染の国際的な取り決めに関わる調査も、毎年受けています。

Big4の仕事との違い

Big4が環境省から受けた115件では、脱炭素・GXの仕事が約半分です。ほかは国の事業の評価や管理、環境省の手続きのオンライン化が多く、化学物質や水の調査はほとんどありません。

会社1件の金額の中央値(真ん中の値)2026年度に前の年から続けた仕事
いであ1,947万円38件中23件
日本エヌ・ユー・エス1,700万円34件中25件
エックス都市研究所2,310万円26件中17件
Big4(4社の合計)約4,000万円23件中4件

Big4は1件の金額が大きく、受ける仕事が毎年入れ替わります。上位3社は1件が小さめで、同じ調査を毎年続けて受けています。

この仕事への影響

上位3社の仕事は、環境省が毎年出す調査の委託です。有明海の再生、水俣条約、PFAS、廃棄物の処理などが、年度をまたいで続いています。2026年度は、いであの38件中23件が前の年から続いた仕事でした。

環境省の契約は4月に集まり、入札の公告は1月から3月に出ます。3社では、この時期に翌年度の提案書を書き、4月から1年の調査を回します。水質や生物の調査、化学物質の分析をしてきた人は、この調査の担い手になれます。脱炭素の制度づくりや事業の評価に関わりたい人には、Big4の仕事が近くなります。

あわせて読む